ひとりでも住み続けられる横浜リビングラボ

ひとりでも住み続けられる横浜リビングラボ

令和4年3月末現在、横浜市の総数178万世帯のうち、65歳以上の単身世帯は28万世帯にものぼり、65歳以上の2人世帯19万世帯を加えると、実に横浜市全世帯の4分の1以上が65歳以上の単身または夫婦のみ世帯となっています。

夫婦のみ世帯がいずれは単身世帯になっていくことを考えれば、これだけのひとり暮らし及びその予備軍が存在するにも関わらず、現在のわが国では、病気や認知症等により正常な判断が難しくなったときには、「呼べばすぐに駆けつけてくれる家族がいること」が大前提となって構築されている仕組みがほとんどです。亡くなった後は、なおさら家族頼みです。

しかし、頼れる家族がいないという人のみならず、家族には迷惑をかけたくないと考える人も増え続けています。また、家族の側が重すぎる負担を抱えきれなくなってしまった例も目立つようになってきています。呼べばすぐに駆けつけてくれる家族がいなければ、ひとり暮らしをつづけることはできないのでしょうか。家族がいる・いないにかかわらず、安心してひとり暮らしをつづけ、ひとりで老後とその先を迎えるためには、どうしたらよいのでしょうか。

わが国では20年前に介護保険が誕生し、それまで家庭内で担っていた「介護」という労働の外部化に成功しました。それから20年たった今、多様化した家族のカタチを社会全体で受容し、家族しかできないとされてきた役割、つまり当事者が適正な判断を行うことに困難を生じたときの意思決定支援の役割を、外部化できる仕組みを構築すべきではないでしょうか。

当リビングラボでは、世間では「終活」と呼ばれている活動を、あえて「アドボカシー活動」と言い替えることにより、現役ミドル世代から後期高齢世代まで、この問題に取り組む市民を増やしていきたいと考えています。

「アドボカシー」とは、「権利擁護・代弁」「支持・表明」といった意味を持つ英語で、当リビングラボでは、あらかじめ自分自身の意思決定を行い、将来、正常な判断ができなくなってきたときに意思決定の支援をしてくれる仕組みを構築しておくことを意図しています。当事者が元気なうちに「アドボカシー活動」を通じて意思決定の準備を行うことにより、関連するビジネスチャンスがたくさん生まれます。

こうしたビジネスが公正かつ適正に行われているかどうかのフィードバック・検証を通じて、さらに誰一人取り残されることがないように寄附文化の啓発に努めながら、民間の活力を高めつつ、ひとりでも安心して住みつづけつつ老後とその先を迎えられる街・ヨコハマを目指します。

そもそも当リビングラボは、神奈川区の済生会神奈川県病院のソーシャルワーカーの呼びかけにより2015年に始まった「おひとりさま勉強会」が起源となっています。横浜市内の人口統計によると、神奈川区を中心とした鶴見区、保土ヶ谷区の3区では、住宅街を多く抱えているにも関わらず、平均世帯人数は1.89~2.06と、横浜市の2.12を下回っており、市内でも単身世帯の目立つ地域です。

当リビングラボでは、まずはこの3区において「アドボカシー活動」を周知し、わが国における「家族ありき」の社会システムやビジネスからの脱却を図ることで、すべての市民の将来への不安の軽減と社会課題の解決に寄与したいと考えています。当リビングラボの目指す、産官学民の協働によってもたらされるオープンイノベーションは、当事者はもちろん関わるすべての人にウェルビーイングをもたらし得るものだと確信しています。

ひとりでも住み続けられる横浜リビングラボの特徴

家族を前提とせず、自分の人生を自分でデザインする「アドボカシー活動」

多様性を認め合う社会が到来しているにもかかわらず、いざというときには頼れる家族がいるという原則で社会の仕組みが運用されたままでは、人生のエンディング期にかけての重要な意思決定は、当事者不在のものにならざるを得ません。当リビングラボでは、「権利擁護・代弁」「支持・表明」という意味を持つ「アドボカシー」を重視し、自分自身のこれからの人生において、どんな状況になっても自分自身が主役のままでいつづけられるように「アドボカシー活動」を推進していきます。「アドボカシー活動」における当事者は、人生の後半戦を自分自身でしっかりとデザインして登録することを目指し、この活動に関わる人たちには、新たな専門職や新たなビジネスが生まれることが期待できます。

誰一人取り残さないために、寄附を活用して富の再分配・循環型経済を目指す

「アドボカシー活動」を実践に移そうとしても、所得や資産の少ない人には金銭的負担が大きすぎるという課題が生じます。当リビングラボでは、誰一人取り残さないということを重視し、そのために生前及び死後の寄附を活用し、富の再分配を図ります。既存の介護・医療従事者または一般市民による無償や低廉すぎる有償ボランティアだけに頼りすぎると、持続可能とはいえず社会の活力が停滞しかねないことを懸念します。寄附を活用することで、誰一人取り残さないこととビジネスを成立させることを両立させ、経済を循環させて地域を活性化させることを目指します。

フィードバック・検証を行うことにより、公正で適正な民間サービスを提供

「アドボカシー活動」を実践し、しかも寄附を活用する過程では、関係する民間のビジネスが公正で適正に行われているかどうかというフィードバック・検証が不可欠となります。データ分析や評価方法の確立を通じて、当事者もサービス提供者も寄附提供者も、関係する皆が安心して「アドボカシー活動」に関わることを目指します。

ひとりでも住み続けられる横浜リビングラボの概要

団体名称 ひとりでも住み続けられる横浜リビングラボ
代表者 鎌村誠司
活動開始年 2022年7月1日
主な活動テーマ 頼れる家族がいる人もいない人も、「アドボカシー活動」を通じて、安心してひとり暮らしをつづけていくことができるような仕組みづくりに取り組み、同時に循環型経済を実現し地域を活性化させる。
主な活動内容 (1)ひとり暮らし又は将来ひとり暮らしになる可能性のある一般市民に対するアドボカシー活動啓発セミナー、相談会等の開催。(2)家族の介護や療養に携わる一般市民へのセミナー、相談会等の開催。(3)アドボカシー登録制度の構築、運用、フィードバック・検証。(4)アドボカシー関連事業の勉強会・育成。(5)寄附(金融資産、不動産)に関する勉強会・相談会。
主な活動拠点 神奈川区、保土ヶ谷区、鶴見区各所
主な活動メンバー 済生会神奈川県病院/神奈川ロイヤル株式会社/株式会社OAGライフサポート/アライアンサーズ株式会社/株式会社カンガルー/株式会社アイトシステム/江﨑純子行政書士事務所/他、順次参加予定
活動頻度 全体会議月1回

ひとりでも住み続けられる横浜リビングラボの新着情報

オンラインフォーラム 〜おひとりさま社会のケアテックとケアシステムを考える〜を開催しました

  • Posted by YOKOHAMAリビングラボサポートオフィス 編集部
  • On 2022年7月5日
横浜市では少子高齢化と共に、単身化も急速に進んでいます。65歳以上の高齢者人口が市域で90万人を超えると共に、そのうち約3分の1の30万近い高齢者がお一人暮らしです。また30歳代から50歳代の市民の未婚者の比率も、男女問 […]
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